(出典:YouTube プロボド)
皆さんは2014年に発売したボードゲーム『枯山水(かれさんすい)』をご存知でしょうか。水を用いずに岩や砂などで山水を表現した日本庭園の様式の一つで石庭とも呼ばれています。そんな枯山水をボードゲームにしてしまったのがこのゲームです。今回は『枯山水(かれさんすい)』ボードゲームの基本情報や遊び方をご紹介します。
枯山水の基本情報
枯山水はプレイヤーが禅僧となって、美しく洗練された日本庭園を造るゲームで、順番に砂や苔のタイルを引き、自分の庭園ボードに美しくならべていくというゲームです。日本人ならではの侘び寂び(わびさび)の感覚をベースにしているところやゲームに使う駒やボード、カード、ゲーム設計、用語などかなり作り込まれているボードゲームです。
(出典:YouTube プロボド)
- 発売時期:2014年
- プレイ人数:2人〜4人
- プレイ時間:60〜90分
- 対象年齢:10歳以上
枯山水の内容物
枯山水に入っている内容物は、寺院ボード1枚に禅僧駒と円相駒、庭園ボードに波紋タイルと石、作庭家カード、名庭園カードがあります。石は、横石、立石、臥石、立石、舟石の5種類があり、どの石がどの種類か見分けることができるように底面に記号が印字されています。作庭家カードには千利休や善阿弥、小堀遠州など禅に縁のある偉人の描かれたカードが9種類あり、様々な効果があります。名庭園カードにはお馴染みの龍安寺や南禅寺などの寺院の庭が描かれており、指定された手順を取ることで得点となります。
(出典:和樂)
枯山水のゲームの目的・勝利条件
プレイヤー全員の庭園に砂紋タイルが並べられたら終了となり、得点表を元に作った庭の得点を計算していきます。美しくできた庭は評価が高く、過剰な要素や不均整の庭は評価が低くなり、砂の基礎点、苔の基礎、対称性、渦、砂紋、石の種類、石の並べ方の組み合わせなどのあらゆる芸術点を加味して計算した結果、一番得点の高いプレイヤーが勝者となります。
枯山水のルールとゲームの流れ
ここからは枯山水のルールとゲームの流れをご紹介します。まず、ゲームを始める前のセットとして中央に寺院ボードを置き、その寺院ボードを囲むようにして庭園ボードを参加するプレイヤー分、プレイヤーの前に置きます。
(出典:YouTube プロボド)
波紋タイルはシャッフルして裏向きで寺院ボードにセット、プレイヤー数に応じて石も寺院ボードの石置き場にセットします。
(出典:和樂)
各プレイヤーは庭園ボード右下と同じ色の禅僧駒と円相駒を受け取り、円相駒は寺院ボードの端を囲っている徳ポイントトラックの0のマスに置きます。
原則として石は禅僧駒のいる縦列にしか置けず、加えて苔のあるタイルの上にしか石を隣接して置くことができません。プレイヤーには名庭園カード、作庭家カードが配られ、名庭園カードに描かれた通りに石を並べることでカードに書かれた得点を獲得することができます。
(以下画像の出典:YouTube プロボド)
早見表を各プレイヤーに配り終えたら準備完了となり、余った駒などは箱に戻します。ゲームはスタートプレイヤーを決めて順に時計回りで進めていきます。
手番では2つの手順があり、1段階目では波紋タイルを1枚引き行動します。最初の1枚目は庭園ボードの左上角か左下角に置き、その上に禅僧駒を置きます。2枚目以降からは「配置」「譲渡」「廃棄」「保管」を選んで行動していくこととなります。
「配置」は引いた砂紋タイルを自分の庭園ボードに配置するというもので配置できる場所は、すでに庭園ボードに置かれているタイルに隣接する部分となります。
「譲渡」は引いた砂紋タイルを他プレイヤーに譲り渡すことです。強制的に渡すことはできませんが他のプレイヤーが譲渡を願い出ることはできます。譲渡が成立したら渡したプレイヤーには徳ポイントが2ポイント入り、受け取ったプレイヤーはそのタイルをすぐに自分の庭園ボードに配置しなければいけません。
「廃棄」は引いた砂紋タイルを捨てることで、廃棄を選択した場合は徳ポイントを1ポイント失います。また、徳が0のプレイヤーの場合は廃棄を選ぶことができないようになっています。
「保管」は引いた砂紋タイルを庭園ボードに配置せず、右下にある仮置き場に保管しておきます。仮置き場には保管できるのは1枚までとなっており、保管したタイルは、次の自分の手番になったときに、好きなタイミングで庭園ボードに配置できます。保管したタイルの廃棄と譲渡はできず、譲渡されたタイルを置くタイミングで保管したタイルを続けて置くこともできません。
基本的な4つの行動に加えて「強奪」というものがあります。「強奪」は手番プレイヤーが、引いた砂紋タイルの配置または仮置き場タイルの配置を宣言した際に、他のプレイヤーが「強奪」を宣言して、タイルを奪うことができるというもので、手番のプレイヤーは強奪を拒否することができません。強奪では譲渡したタイルを奪ったり、誰かが強奪したタイルに対してさらに強奪することはできず、複数のプレイヤーが強奪を宣言した場合、その時点で庭園ボード上にあるタイルの枚数が一番少ないプレイヤーがそのタイルを強奪する権利を得ます。強奪したプレイヤーは徳ポイントを2ポイント失います。
続いて2段階目の行動で「座禅」「禅僧駒の移動」「石の獲得と設置」「作庭家カードの使用」のいずれかを選択します。
「座禅」は徳ポイントトラックを1つ進めて徳を1ポイント獲得します。上限は6ポイントでそれ以上は増えませんので注意しましょう。
「禅僧駒の移動」は庭園ボード上にある禅僧駒を上下左右に1マスだけ移動します。
「石の獲得と設置」は徳を全て消費して寺院ボードから石を獲得して自分の庭園ボードで石の置かれていない砂紋タイルの上に置くことができます。石の種類によって必要な徳ポイントが変わります。獲得した石は禅僧駒のいる縦列かつ、苔のあるタイルの上にしか設置できません。禅僧駒がいるタイルに石を置いた場合は禅僧駒を1マス動かすことができ、徳が6ポイントある場合は、任意の石を、禅僧駒の場所に関わらず好きなタイル上に設置できます。
「作庭家カードの使用」は「作庭家カード」を公開してその効果を使用できるというもので、このカードはゲーム中に1度しか使えません。
その他のルール
その他のルールとして誰かの庭園ボードに15枚の砂紋タイルを配置し終えると、他のプレイヤーたちは、タイルの「廃棄」と「譲渡」ができなくなります。15枚のタイルを配置し終えたプレイヤーたちも自分の手番で2段階目の行動はすることができます。
全てのプレイヤーの庭園に15枚のタイルを配置したら、その手番の完了とともにゲームは終了となり、得点を計算して一番得点が多かったプレイヤーが勝者となります。
まとめ
今回は『枯山水(かれさんすい)』ボードゲームの基本情報や遊び方をご紹介しました。デザインからルールまで、とことん日本美を感じる美しいボードゲームとなっている枯山水、1回のプレイ時間が長くなるので時間に余裕がある時にプレイすることをお勧めします。ゲームの流れは一見複雑そうにも見えるかもしれませんが、やってみたら意外とすんなり覚えられるようになっています。オンラインで気軽に遊べる枯山水はないようでしたが、興味があったらぜひプレイしてみてください。